人工透析センター

日本では慢性腎臓病(CKD)の患者さまが約1,330万人にのぼると推定されています。これは成人の約8人に1人が罹患している計算であり、新たな国民病とまで言われています。腎臓は血液や体液中の水分量の調節、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどの電解質濃度、酸・アルカリのバランスの維持、老廃物の排泄、造血ホルモンの産生など、体にとって重要な働きをしています。CKDが進行して腎臓の働きが低下すると、体内に余計な水分や老廃物がたまり、電解質や酸・アルカリのバランスを維持できなくなります。血液透析とは体外循環を行うことで体内にたまった老廃物や余分な水分を取り除き、電解質や酸・アルカリのバランスを調節する治療です。1回の血液透析に要する時間は基本的に4時間、これを週3回行います。

当院の人工透析センターでは、急性期病院として近隣の透析施設と連携を取りながら、CKDの患者さまの透析導入や、維持透析中の患者さまが種々の合併症で入院した際の透析対応を行っています。また、集中治療を要する患者さまについては、ベッドサイドでの血液透析にも対応しています。医師・看護師・臨床工学技士・栄養士・薬剤師・社会福祉士(MSW)・ナースアシスタント(NA)・事務といった、多職種で患者さまについての情報を共有しながら、安全・確実な血液透析を遂行できるように心がけています。